あったものが無くなると、違和感を感じます。
それが物であれば、多少違う物でも、使えれば我慢出来るでしょう。

ですが、人に代わりはいません。

会いたい・・・話しがしたい・・・せめて声だけでも・・・
あの人以外考えられない！

それが叶わないと知ったとき・・・

大きな喪失感が一気に貴方を飲み込み、
貴方の頭の中で、ザーッと血の引く音がしたかと思います。

大切であればある程、失った時の喪失感は大きいのです。
目の前が真っ暗になり、今まで思い描いていた未来が頭をかすめ、
頭ではその事を理解できても、貴方の心は事実が受け入れられません。

貴方は、何度も確認したと思います。

本当に失ったんだろうか？
夢を見ているのでは無いだろうか？
相手の言っていることを、勘違いしているのでは無いだろうか？
もしかしたら、機嫌が悪かっただけでは無いだろうか？
ちょっと感情的になっただけで、今電話したら、いつもどおりなのでは無いだろうか？

そのことを確認する為に・・・

お相手にメールをしてみたり、
電話を掛けてみたり、
時間をおいて待ってみたり、

その結果、貴方は「失った事」を確認してしまったのでは無いでしょうか？

幸せだった日々
笑顔でいられた自分
愛されているという自信

今、それが目の前にないという現実・・・

喪失感は、悲しみを呼びます。
これからも続くと思っていた期待が大きければ大きい程、
大切な人の存在が大きければ大きい程、
悲しみの波は大きなうねりとなって、貴方を飲み込みます。

　　悲しみの波は、貴方の人生そのものを変えてしまいます。笑顔になれず、暗く沈んだ表情で時々涙ぐむ・・・
周囲は、最初のうちは心配してくれていても、それが長期に渡ると、付き合いきれないと感じ始めます。

貴方の事を異性として気になっていた人も、最初は心配して話を聞いてくれるでしょう。
ですが、貴方がいつまでも暗く沈んでいると、「自分では力になりきれない」と去ってしまうのです。

貴方の良き理解者であった友人も、貴方を異性としてみてくれた人も、
一人・・・また一人と去って行きます。

それが会社で起こると・・・
会社の雰囲気を変えてしまいます。

挨拶から明るさも消え、仕事も上の空・・・
それは信用を失います。

好きな人を失った悲しみからであろうと、集団で利益を追求する会社にとって、理由は関係御座いません。
仕事に集中出来ない様子が長期に渡って見えれば、会社は解雇を考えるのです。

会社は、失恋からの回復を待ってはくれません。

失恋の悲しみのために、どれだけの方が仕事をなくしてしまっているか・・・
失恋された方の約３割の方が、
会社からクビを通告されるか、今までどおりのことが続けられなくなって自主退社されています。

悲しみの波は、大切なものを少しづつ、貴方から奪っていくのです。

　　そして、貴方の中に残るのは・・・悲しみの底にあるもの・・・
それは憎しみです。
いろいろなものを失っていく自分・・・
貴方の中には、それを納得出来ない自分がいます。

悔しい・・・
あんなに幸せだったのに、こんな簡単に捨てる何て・・・
あの人が自分を必要としてくれていたら、こんな事にはならなかったのに・・・

殺してやりたい！
そして死んでしまいたい！

満たされない気持ち・・・
望みが叶わない現実・・・
欲しいものが手に入らない心の渇望・・・

出口が見えない・・・

何故自分だけが、こんなにも辛い思いをしなければならないのか・・・

皆不幸になればいい！
人の幸せなんか見たくもない！
ましてや「あの人」の幸せ何て、考えたくもない！

行き場所を失ってしまった貴方の心は、悲しみで歪んでいってしまいます。

その歪んだ心は、もっと、貴方を苦しめて行きます。

「こんな事を考える何て・・・」

人を恨み、人をねたみ、人の不幸を望み・・・

こんな自分何て、消えてしまえばいい！

あったはずの未来・・・
なくなってしまった未来・・・

失ってしまった自分の心・・・

人は、自分に対する失望感が大きくなると、生きる意欲を失ってしまいます。
自殺を考える人は、少なくないのです・・・